読書感想文

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坂口三千代『クラクラ日記』(1967年作品)

 てっきり昔読んだ本だと思っていたのだが、何を勘違いしたものか、初読であった。坂口安吾の妻・坂口三千代による、安吾との出会いから死別までの生活をつづった自伝的エッセイ。  題名が軽いエッセイものの雰囲気を醸し出しているので油断していたの...
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九段理江『東京都同情塔』(2024年作品)

 ふだんは昔の小説ばっかり読んで、古臭い言い回しを嬉々として覚えて好んで使っているのだが、あまりにも昔風に偏るのも現代人としてのバランスを欠く、ってことでたまには新刊本も読みたい。作中で文章生成AIを使っているとか、芥川賞にしては珍しく...
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矢田津世子『神楽坂・茶粥の記』

 矢田津世子の作品を読もうとする人の多くが坂口安吾経由だと思う。私もご多分に洩れず、直接的に矢田津世子のことが語られる『二十七歳』『三十歳』を読んで好奇心を刺激され、安吾作品への理解を深めるため読んでみることにした次第である。  矢田津...
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横山勲『過疎ビジネス』(2025年作品)

 河北新社という東北の地方新聞の記者が、過疎自治体をに寄生する"公金チューチュー"、というより"公金ロンダリング"といったほうが良い、コンサル会社の悪徳ビジネスを暴くノンフィクション。ジャーナリズム魂を見せつけられる内容で、オールドメディ...
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上野英信『出ニッポン記』(1977年作品)

 昨今、20代くらいの若手世代の就活は売り手市場で楽勝、一部の企業では初任給も爆上げ、といったことが起こっていると聞く。一方で我々世代はというと、仕事がなかなか見つからないのはもはや20代の時と変わらずな伝統芸で、見つかったとしてもいま...
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小林多喜二『防雪林・不在地主』

 電車通勤の2時間は、プロレタリア文学を読むに限る。理由は色々あるが、現代の労働環境や資本主義社会の奥底に隠された獰猛さを改めて認識させられるからだ。いや、隠されているのはごく一部で、多くの会社では薄皮一枚の下にグラグラ煮え立っているのが...
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勝小吉『夢酔独言』(1843年作品、2015年講談社版)

 勝海舟の父、江戸の不良旗本・勝小吉の自叙伝。坂口安吾の「青春論」で以下のように魅力的な紹介で手に取った本。  僕は先日勝海舟の伝記を読んだ。ところが海舟の親父の勝夢酔という先生が、奇々怪々な先生で、不良少年、不良青年、不良老年と生涯...
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寺尾紗穂『日本人が移民だったころ』(2023年作品)

 昨今、今さらかよと溜息をついてしまうくらい盛んに「氷河期世代対策」の政治プロモーションが行われている。  自分もそれに焚きつけられて色々と考えてしまい、過去に下記のような投稿もしている。 ・「氷河期世代の船」に、死ぬまで乗船し続ける運...
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坂口安吾『花妖』(1947年作品)

 東京新聞に連載された安吾初の新聞小説にして、安吾作品によくある未完長編。  家族と別居し、終戦後も防空壕に住み続け皮肉とニヒリズムの果てに浪漫を夢見る自称「ミイラ」の弁護士・木村修一。許嫁に裏切られ、妹にも裏切られ当てにしていた父親にも裏...
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成田悠輔『22世紀の資本主義 やがてお金は絶滅する』(2025年作品)

 前作『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』は割と軽快に読める本だったので油断したが、今作は私のような不勉強者にとっては難解であった。特に軸となっている「アートークン」と「招き猫アルゴリズム」の概念がまるで...